神祇官跡を話すとなると、その前に天皇の住まいである御所の話からしなければいけません。
平安遷都の時の御所は今の京都御所より西にありました。京都へ行かれた時に市内の縦の道路名で気づかれると思います。600年程ここで政務、祭祀が行われていたのですが、室町時代になると南北朝内乱が起き、朝廷が両派に分立しました。その内乱は数十年続き、1392年足利義満の和議によって南北合一となり、土御門邸に居住していた北朝の御小松天皇に神器が移されます。その時より、ここが新御所となり明治の東京遷都まで続いていきます。それが現在の京都御所です。旧御所にあった神祇官の場所は二条城の城内にあります。現在の二条城は1603年に徳川家康によって建立。
さて、神祇官の八神殿、祝部殿ですが、神祇官そのものが中世に衰退します。南北朝時代迄は古式の形が残っていたらしいのですが、応仁の乱によって焼失すると共に完全に廃絶されてしまいます。
その後も跡地において細々と祭祀が行われていたらしいのですが、徳川家康が二条城を築城してからは白川家、吉田神社で行われるようになりました。このことは「祝部殿」の神事にも変換を余儀なくされた一大時期でもあります。
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