Q. 拍手の打ち方や種類を教えてください

天地に 尊きものは 唯一つ 皆知りたまへ 拍手の音 (高浜清七郎)

「伯家神道行法・お道の行法」は拍手を打つ事により神を招き降ろすことから「拍手降神」とも言います。行法が進むにより、拍手の打ち方が伝授されます。

拍手の打ち方

拍手の打ち方の伝授は八種の行より始まります。いわば「拍手行進」でもあるわけです。「祝の神事」は拍手の「音霊」と祓いを宣り挙げる「言霊」によって構成されています。自ずとそこには「音霊」と「言霊」が持つ霊力の働きが必要になってきます。

拍手にもただ打てば良いというのでなく、お行ごとにその拍手の出す音の高低、速度が変わってきます。いわば感謝の拍手、祈りを込める拍手など想念によってそれぞれ違ってきます。これが神に捧げる拍手となるわけです。

お行で行う拍手は、一般の神社参拝の時に打つ二礼二拍手一拝の拍手の打ち方ではなく、「お道の行法」のみに伝わる独特な打ち方になります。

私が20代のころお行を行って最初に驚いたのは、これまで習ってきた神社神道と違う古代さながらのお行であることと、日本の原初神道に近いものを感じたことです。神社神道と違うために多少の抵抗はありましたが、より素直に受け入れることができました。

現在行われている神社神道は国風文化と言へども、平安時代に確立された唐朝文化の遺風を残しています。衣冠束帯、笏を手に持つ有職故実は中国旅行された人は見ることができます。

原初の祭祀としてのお行

しかし、「お道の行法」はただ白衣を着て装束を着るでなく、笏を持つでなくただ、「音霊」と「言霊」の世界であることに原初日本の祭祀のあるべき姿を垣間見るわけです。これは縄文時代以降の姿を現しているのかも知れません。

私がお行を始めてからのたっての願いとして、このお行を通して我が国原初の祭祀が表現できないか、との思いがあります。何故ならば原初神道こそ最も神に近い世界であるからと信じているからです。

拍手を「カシハデ」と呼ぶようになったのは中世以降です。それまでは「手を打つ」と日本書紀、延喜式などに記載されています。魏志倭人伝にも「手を打つ」所作が記載されていることより、往古の昔より他民族の拍手の観念とは異なり古代日本人独特の生活文化であったのです。

拍手の種類

神社神道で言うところの拍手には「禮手」「連拍手」「合拍手」「退手」「後手」「忍手」「単拍手」「二拍手」「四拍手」「八拍手」とあります。伯家神道のお行では神名を唱える時にそれに合わせた拍手の打ち方になります。この打ち方が何千年と伝承されている事を挙げれば、日本の歴史の古さと、古代の人々と同じ拍手を打っている喜びがあります。

拍手には、魏志倭人伝にも記載されているように目上の人に打つ表敬、礼儀としての拍手とともに、拍手打つことにより真の心を奉る「マツリゴト」の心を表しています。そして、永遠の発展を祝う弥栄の心を習得するものであります。

「マツリゴト」の心を生すことは、私達の心が「カムナガラ」になることです。そして自らが「カムナガラ」になることは、自分の心に中に神様をお呼び申し上げたことになります。「拍手打つ所に神は宿る」所以です。「目に見えないものに打つ」「拍手打つことにより自らに英気を養い」「心身を祓い清める」意があります。

拍手の音

又、拍手の音の振動は気を生みます。陰気を去り陽気を呼び込むことができます。その考え方から、朝起きて神棚に拍手を打つことを日本人は古くより家庭祭祀として行っていました。

手を合わせて打つ拍手には色々な音を出すことができます。祈りの拍手、喜びの拍手、感謝の拍手、拍手は自らの心を神に伝える、古代社会が現代の我が国に残してくれた音霊の世界です。

古神道行法をなされる人は、自然の神霊をよびおこし、よび招くと言われる拍手を音楽として打つように、まず拍手の打ち方の稽古から専念されることをお勧めします。

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[更新日]  永川辰男

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